82年生まれ、キム・ジヨンを読んでみた

82年生まれ、キム・ジヨン

 

話題になっていたから読んでみた。

面白い。物語の最初は主人公であるジヨンの祖母から始まる。

どんどん話が展開していって飽きずにあっという間に読了した。

一言でいうと「女性の地獄全部づめ」。この表現が正しいかどうかはさておき、女性ならではの社会での葛藤や苦労がとてもリアルに描かれている。

 

女性ならば程度の差はあれど一度は経験したことがあるであろう

セクハラ、マタハラ、男女差別、就職難、日本でも風向きが変わってきた風潮があれども、まだまだ完璧とは言えないのではないだろうか。

 

韓国にそういった問題があることに驚きを覚えた。今まで韓国と聞いて思い浮かぶのはKpopやコスメ、旅行、受験戦争、兵役など。テレビのニュースやネットでかいつまんだ情報しか知らなかったのである。

 

そこに住んでいる人達が何に直面しどんな問題を抱えているのかを考えたことが無かった。

もっと性別関係なく生きやすい社会になればいいなと思うけれどもそう簡単にはいかないのが現実。

ジヨンは架空の人物だけれど、とても他人事には思えない。

私はそこまでセクハラや就職難であったり「女性だから」という理由で差別されることのない環境で生きたけれども、それはたまたまラッキーであっただけで、ジヨンと同じような経験をする可能性だって十分にあったはずだし、これからも無いとは限らない。

それと同時に、お金、仕事、人間関係、子育て、国や文化が違っても人間が持つ悩みというのはたいして変わらないのだとも思った。

 

この本は韓国での発行部数は130万部を突破、世界22カ国に翻訳されているという。

日本でも2018年12月に刊行されて以来、20万部という翻訳小説としては異例の数字を叩きだしている。

 

多くの人が共感し売れている、というのはそれだけ同じ悩みを抱えて、かつまだまだそういった差別的な風潮は残っている証拠かもしれない、とも思った。

 

 

82年生まれ、キム・ジヨン

チョ・ナムジュ (著)

↓気になった方はぜひ

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